「ヘリ無し畳」作り方 畳屋さんからの質問集と解決策③ 「ふくれる」その1

今回も畳屋さんからの「ヘリ無し畳」についての質問と解決策です。
今回は「ふくれる」についてです。

僕もこの問題についてはかなり色々と試してきました。
「全体の寸法より1mmだけ甘く作る」とか
「畳床の控えを若干甘くして作る」だとか、、、

どちらも「甘く作ればふくれないはず!」との考えがベースでの対策でした。
でも、そもそもこれが間違いだったんです。
甘く作れば綺麗に入らない(角がズレる)ですし、
表替えの際の手間も増えてしまいます。

冷静に「ふくれる原因」を突き詰めていくと以下の2点が浮かび上がってきました。

①仕事場で作った時点でふくれている
②敷きこんだらヘリギワがふくれる
の2つです。

それぞれ原因が違うので個別に説明していきますね。

ではさっそく①「仕事場で作った時点でヘリギワがふくれている」の原因です。

「作った時点で何か、ちょっとふくれている」けど
「まぁ、敷き込みまで積んでおいたら落ち着くかな?」
、、、


「残念ながら直りません😓」

こちらの原因ははっきりしています。
「下前を縫う時点でふくれているから」です。
単純ですね。
ですが、これがなかなか厄介ですよね。

一番の理由は畳表を折った位置と、畳床の間に隙間があるってことですね。
畳床と畳表に隙間があると、ここを押すとふくれます
ですので、ピッタリと畳床に沿うように施工すれば解決。
畳表と畳床の隙間がある状態っていうのは、畳表がフワっと縫着されている状態ですね。
これですと、製作後にはちょっとふくれている感じになります。
そして敷き込み時、少しでも寸法がかたいとふくれる原因になります。

ではこの解決策として、ちょっと技術的な話を。
実は、製作時に下前を縫う前上前が多少ふくれていても大丈夫です。
上前縫った時点でこんな感じでも大丈夫です
つまり、
下前を縫うときに上前がふくれていない状態を作る
下前は畳床に合わせて折り、縫う
ことが出来ればオーケーです。


畳製作時の「ふくれ」の原因としてはこれが主なのですが、あとは採寸時の問題も考えられますね。

ちょっと長くなりましたので、こちらは次回に。

次回は
②敷きこんだらヘリギワがふくれるです。

こちらは寸取りの際、
畳寄せの歪みを取れきれていない可能性があります。
半間間隔で採寸していると思うのですが、ヘリ無し畳の場合は
もう少し細かめの採寸がオススメです。
特に畳寄せの少しの歪みが影響することが多いので、寸取りの際に注意していただくと良いかと思われます。
参照「ヘリ無し畳」作り方 畳屋さんからの質問集と解決策①をご覧ください。

今回は「ヘリ無し畳のふくれ」の原因について書いてみました。